YouTubeで収益化するときに著作権で気をつけること
- YouTubeで著作権侵害した場合、収益がどうなるか知りたい
- YouTubeで著作権侵害について気をつけることを知っておきたい
YouTubeの広告市場は年々、規模を拡大し続けています。多くのユーザーが動画を投稿しており、中にはYouTubeで年収数千万円を稼ぎ出すYouTuberと呼ばれる人たちもいて注目を集めています。
多くの人が副業やお小遣い稼ぎとしてYouTubeの収益化を目指します。そんなYouTubeの収益化を目指す上で、知っておきたいのが著作権についてです。著作権を侵害すると収益化審査に通らなかったり、動画が収益化できなかったりします。
YouTubeの著作権で気をつけるポイントについてわかりやすく解説します。また使用許諾済みの素材が、著作権保護システムに引っかかった場合の解除方法についても紹介します。
目次
YouTubeで収益化したいなら著作権侵害はNG
YouTubeでは著作権保護システムである「コンテンツID」が、著作権侵害していないかどうか見張るために巡回しています。他人が権利を所有している素材をYouTubeに使用すると、権利者から著作権侵害申し立てを受けます。
実際には素材の使用許諾が済んでいても、著作権侵害申し立てを受けることがあります。著作権侵害申し立てではいくつかの処置を権利者が選択できます。その1つであるマネタイズは、申し立てを解除するまで広告収益が動画投稿者に入らず権利者に収益が発生します。
まず必要なのは著作権を侵害しないことですが、次に必要なのは使用許諾済み素材の著作権侵害申し立て解除です。
理解しておきたい「著作権侵害の申し立て」
「著作権侵害申し立て」は先ほど説明した通り、コンテンツIDという著作権保護システムの巡回によって起きます。著作権侵害申し立てが行われるとどのようなことが起きるか紹介します。
勝手に広告が流れる
著作権侵害申し立てを受けると、勝手に広告が流れるケースがあります。著作権侵害申し立てによって広告が表示されていなかった動画に、オーバーレイ広告が表示されるようになるケースもあります。
また収益化している動画投稿者の収益が発生しなくなるケースもあります。
収益はすべて著作者に入る
動画に広告が流れるようになるのは、著作権侵害申し立てを行った権利者がマネタイズを選択したからです。著作権侵害申し立てにはいくつか選択肢があり、その1つがマネタイズです。該当する動画に広告を流して、収益を著作権の権利者が受け取れるようにする措置です。
この措置を執られると動画投稿者には収益が入りません。収益化済みの動画投稿者にとっては大きなダメージですよね。よって解除が必要になります。
使用許諾を済ませている素材でも申し立てられる
使用許諾済みの素材でも著作権侵害申し立ては行われます。ライセンス料を支払っている素材へ著作権侵害申し立てが行われ、困惑するユーザーも多いようです。
YouTubeの著作権保護システムであるコンテンツIDは、データベースに登録された素材を自動的に検知しているだけです。よって使用許諾が済んでいても、著作権侵害申し立てされるケースがあります。
著作権侵害申し立てしてくるコンテンツIDとは?
著作権侵害申し立てをしてくるコンテンツIDの仕組みについて簡単に解説します。
コンテンツIDとは
コンテンツIDとはYouTubeの用語で、著作権を有する既存の音楽や映像が使用されていないかどうか、自動で検知して確認するシステムです。
コンテンツ(素材)の所有者は、コンテンツIDにコンテンツを自分が所有者であると登録します。するとYouTubeにアップされる動画をコンテンツIDが巡回して、コンテンツIDに登録されたコンテンツが使用されていないかどうか照合します。
登録されているコンテンツと一致した場合、動画投稿者へ通知を出します。これが著作権侵害申し立てです。
権利者が取れるモーション
著作権侵害申し立てが行われた場合、権利者は5つの選択肢から行動できます。
- クリア:投稿された動画に対して何もアクションを起こさない
- トラッキング:動画の視聴状況を閲覧する
- マネタイズ:動画に広告を入れて収益を発生させる
- ミュート:著作権に関わるコンテンツの音声を再生させないようにする
- ブロック:動画を見られないようにする
逆に著作権侵害をしている動画は突然再生できなくなったり、広告が流れたりすることがあり得ます。
しかし権利者も曲が使われたら全部マネタイズできるわけではありません。クリエイティブ・コモンズの規定に沿って使用されている限り、クリアやトラッキングを選択するべきです。
コンテンツID所有者になる方法
コンテンツIDは個人単位では登録できず、YouTubeパートナープラットフォーム会社が認める登録会社を通じてだけ登録できます。登録会社はコンテンツ所有者から請け負った素材や作品の著作権登録と管理を行います。
登録会社はいくつかあり、例えばTuneCore Japanは日本語にも対応しています。多くの登録会社は収益が発生した場合に利用料が発生する仕組みです。初期費用に関しては無料、有料などさまざまなパターンがあります。
使用許諾済み素材の著作権侵害申し立て解除方法
著作権侵害申し立てが行われた場合、すでに使用許諾済み素材なら解除しましょう。ケースバイケースの部分も多いですが、主に解除方法は2つあります。それぞれ大まかに解説します。
権利者に解除を依頼
1つめの解除方法は権利者に直接問い合わせる方法です。
使用許諾を行ったライブラリー会社自身が素材の権利者である場合は、著作権侵害申し立ても迅速に解除されるケースが多いです。ライブラリー会社に問い合わせてみましょう。
アーティストが権利者である場合は直接問い合わせる必要があります。ライブラリー会社が個々のアーティストの連絡先を開示しているケースもあります。確認して問い合わせてください。
権利者に問い合わせて、著作権侵害申し立てを解除してもらいましょう。
管理ページから異議申し立て
権利者と直接連絡が取れないなら、YouTubeを通じて異議申し立てを行うことができます。異議申し立てを行うと著作権侵害申し立てをした権利者に通知されます。解除の成否やタイミングは権利者に委ねられますので注意が必要です。
異議申し立ての方法は公式ページである「著作権侵害の異議申し立て通知を送信する – YouTube ヘルプ」に記載されています。
解除に至らないケースも
最悪の場合は著作権侵害申し立ての解除に至らないケースも考えられます。
- 広告収入も音源の使用料として捉えている
- ライブラリー会社が権利者を把握していない
- 海外の権利者で連絡がつきにくい
- 1つの素材に複数の権利者がいる
上記のような場合は解除に至らないケースもあります。動画の修正が必要になって、多くの労力と手間がかかります。
動画作りには信頼できる権利元の素材を使おう
著作権侵害申し立てされて動画がマネタイズできなくなったり、動画の一部がミュートされたりするなどのトラブルを避けるためには、最初から信頼できる権利元の素材を使用することが大切です。
YouTubeで収益化したいと思うなら特に、著作権には敏感にならなければいけません。著作権侵害申し立てではなく、実際に裁判を起こされる例もあります。
動画を作るときには、信頼できる権利元の素材を使用しましょう。
まとめ
YouTubeの著作権関係、特に音源は非常にシビアだと言われています。著作権侵害申し立てでトラブルが発生すると、大変な手間と労力がかかります。トラブルにならないよう、動画作りの際には注意してくださいね。