Googleがアドセンスアプリを廃止した理由から未来がわかる
- Googleアドセンスのアプリが廃止された理由を知りたい
- Googleがこれから目指す方向性は?
2019年11月にGoogleアドセンスのモバイルアプリを廃止すると、Googleから発表がありました。AndroidやIOSからGoogleアドセンスの成果やデータが見られるアプリが、この発表で廃止されることが決定しました。
なぜモバイルアプリ廃止を決定したのかと、ニュースを聞いて疑問に思う人が多いのではないでしょうか。モバイルアプリの廃止は一見すると、不便になりそうだと感じるからです。
しかし掘り下げていくと、明確な理由とGoogleの今後のスタンスがありました。理由とスタンスについて解説し、Googleが今後どのようになっていくのか予想します。
目次
Googleアドセンスのアプリはなぜ廃止されたのか
Googleアドセンスとは、クリック報酬型アフィリエイトの1つです。ブログやサイト、動画、ゲームなどに設置して、クリックされることで報酬が発生します。言うまでもなくGoogleの収益にとって、Googleアドセンスは大黒柱です。
そのGoogleアドセンスのデータを確認できるのが、Googleアドセンスのアプリです。AndroidとIOSのどちらでもリリースされており、スマートフォンからGoogleアドセンスの成果を確認できました。
このアプリの廃止には、2つの理由がありました。
アプリとモバイルというプラットフォームの統一
1つめの理由は、モバイルのWebプラットフォームの高速化です。AMPと呼ばれるモバイルプラットフォーム用規格のリリースや、通信速度の向上、スマートフォンの性能アップが高速化につながりました。
スマートフォンからWeb上で、Googleアドセンスの成果を確認できるページもあります。しかしモバイルの高速化が進むまでは、表示が遅く、ユーザービリティに乏しいことが問題でした。それらの問題を解決するのが、アドセンスアプリだったのです。
しかし高速化によって、表示速度や動作の問題はクリアしました。するとWebインターフェースとアプリの2種類を、使い分ける必然性は存在しなくなります。
Googleのもつ資本の集中した投下
アプリの廃止は、モバイルの高速化がもっとも大きな理由でした。2つめの理由は、モバイルが高速化したからこそできる選択です。つまりアプリを廃止して、Webインターフェースにリソースを集中することです。
一元化することのメリットは計り知れません。Webインターフェースとアプリの2種類を管理する煩雑さから、Googleもコンテンツ制作者も解放されます。コンテンツ制作者は、コンテンツの制作により集中できます。
Googleはモバイルの高速化を受けて、Webインターフェースへの集中投資を選択したのです。
アドセンスアプリ廃止からわかるGoogleが見据える未来
Googleアドセンスのアプリを廃止したことから、Googleがこれから採るであろうスタンスがわかります。それはWeb上で全てのコンテンツを、動作させることではないでしょうか。
HTML5の普及とともに、動的なWebコンテンツが非常に簡単に開発できるようになりました。一昔前は動的コンテンツと言えば、AdobeのFLASHでした。今では動画ファイルをHTML5で読み込み、簡単に表示できます。
またクライアントサイドスクリプトである、JavaScriptの普及も大きな要素です。JavaScriptと多くのフレームワークによって、たくさんのブラウザゲームがリリースされています。
他にも、昔のオフィスはインストールするソフトでしたが、現在ではクラウドで使用することもできます。クラウド化は今後も進んでいくことでしょう。
アプリもWebプラットフォームに統合される、そんな未来をGoogleは見据えているのかもしれません。
2021年にモバイルエクスペリエンスが重視される
2010年代中盤から、Googleは検索エンジンでもモバイルに力を注ぎはじめました。Accelerated Mobile Pages(AMP)と呼ばれる、高速モバイル表示のための規格を推進しているのもGoogleです。
加えてコンテンツ内容だけでなく、サイトの表示速度やスピードも重視されはじめました。サーチコンソールでは、モバイル向け表示に問題のあるページが検出されるようになっています。
これらの事実からわかるとおり、Googleはモバイルを重視しています。
さらにGoogleは検索順位で、Core Web Vitals(コアウェブバイタル)を重視すると発表しました。2021年より検索アルゴリズムに組み入れられ、検索順位に影響を及ぼすと予告しています。
Core Web Vitalsとは、ユーザーエクスペリエンス(利用者の経験、使い勝手)の強化のための指標です。モバイルフレンドリーであるかどうか、ページの表示速度、閲覧の安全性などが指標に含まれています。
この発表と変更も、Googleがこれからモバイルを重視するスタンスの現れです。
ブログやサイトが改修するべき点
検索エンジンからのアクセスは、ブログやサイトにとって大きな影響があります。日本において検索エンジンとは、実質的にはほぼGoogleを指します。なぜならGoogleの次にシェアの大きい、Yahoo!はGoogleのアルゴリズムを使用しているからです。
Googleはモバイル重視を打ち出しています。ブログやサイトは、どのように対応したら良いのでしょうか。
レスポンシブウェブデザインとモバイルユーザビリティ
レスポンシブウェブデザインとは、パソコンとスマートフォンのどちらにも同じファイルで表示することです。デザインそのものの横幅が可変して、端末によって最適なデザインが表示されます。
同一ファイルで異なる端末に対応できるため、パソコン用とスマートフォン用にページを作成する必要がないことから、現在ではウェブデザインの主流です。
まだレスポンシブウェブデザインに対応していないサイトやブログは、レスポンシブウェブデザインへの変更を進めましょう。特にパソコンとスマートフォンに別のページを閲覧させているケースは、SEOに悪影響が出ている可能性があります。
なぜなら同じコンテンツが、2重化しているからです。レスポンシブウェブデザインでは、同一コンテンツが2重化しないのも大きなメリットです。
サイトの表示速度
サイトの表示速度は、特にモバイルユーザーにとって非常に重要です。Googleのポール・キンラン氏が調査したところ、ユーザーの8割近くがスムーズな操作を重要視していました。スムーズな操作のためには、ページの表示速度が速いことが求められます。
表示に2秒以上かかる場合、直帰率が跳ね上がったという調査結果もあります。サイトの表示速度はユーザーにとってとても重要であり、だからこそGoogleも重視します。
HTTPS対応
最近、サイトのURLが「http://」ではなく「https://」が増えていると感じませんか?https://はSSL化されたURLです。
SSLとはブラウザとサーバー間の通信を暗号化し、送受信される情報のセキュリティを高める仕組みです。GoogleもSSLを推奨しており、今後はhttps://というURLが主流になっていきます。
まとめ
Googleが見つめる未来のWebとは、どのようなものなのか。それが今回の記事で、少しは見えたのではないでしょうか。Googleは常に最適解を求めて、革新を続けます。10年後のWebがどのようなものか、Googleはどうなっているのか。とても楽しみです。